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『窮鼠はチーズの夢を見る』2回観た感想をぶちまけるよ

なにかと話題の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の感想です!

「窮鼠」の画像検索結果

 

公開してわりとすぐに友達と1回目を観て、ぽろぽろ泣きました。

それで、おととい別の子と2回目行ってきたんですが、

え?こないだなんで泣いたの?って思うくらい、

恭一のクズっぷりにぽかんとして終わりました。笑

とにかくストーリー面でもビジュアル面でも思うところがたくさんある映画でした。

 

まずはこれをR15で上映してることに拍手したいです。

BLってずっと18禁扱いだったわけなので、

(そもそも同性愛が"禁断”扱いだったし濡れ場がメインな作品ばっかりで)

『窮鼠』をただの恋愛映画として高校生も普通に観られるのは良いことだと思います。

 

皮肉ですが、性的同意年齢13才っていう世の中ですからね。

 

監督もインタビューでこんな風に言ってますね。

 

『スタンダードな今の日本の最前線の恋愛映画にしたい』という思いがあったんです。今回僕がやりたかったのは、ゲイとかストレートとか、そういったことをまったく意識しない、人と人との向き合い方。男と女であれ、男同士であれ、すべて一緒。LGBTというジャンルで描かれる、ある種の分断された悲しみではなく、あくまで恋をする二人の息苦しさを、男と男で描きたかったんです」

 

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』:名手・行定勲がこだわった、恋する男たちと裸体の美 | nippon.com

 

うんうん、まさにそんな印象を受ける映画でしたよ。

では、以下はネタバレ思い切り含みますので観てない方はご注意ください~~!

 

  

良い子ぶりっ子の恭一が許せません

 

さっそく大倉くん演じる大伴恭一先輩をぶった切っていきたいです。

自分に後ろめたいことがあると、とにかく優しくなろうとする恭一。

彼に染みついてしまった癖なんだろうな。

ずるずる不倫していた恭一は、奥さんの知加子さんが興信所に調査を依頼していたことを知って、ものすごく穏やかな感じで週末デートに誘います。

さっきまで別の女を抱いて、今ヶ瀬ともキスをして、その先を迫られて、

その身体で帰宅、奥さんが入浴中風呂場のドアを開けたと思えば、

「俺も入ろうかな(にこっ)。」

驚いている奥さんを見ると、いかにわざとらしい振る舞いなのかわかりますね…。

この後、まさかの奥さんの方が真剣な(?)不倫をしていることが発覚しますが

「恭ちゃんがお金を持ってきて、私が使う。私達、それだけしか繋がりがなかったじゃない。」

と泣きながら、そして自嘲するような表情が印象的でした。

 

離婚後、今ヶ瀬が転がり込んで奇妙な同居生活が始まったあとも、

以前の不倫相手と関係を持った恭一は、「仕事で遅くなる」と嘘をつき

やたら笑顔で帰宅。「夕飯なんだったの(にこ)俺も食べようかな(にこ)」

相手を傷つけたくないという気持ちは、彼なりの愛情だと言うのかもしれないけど、

自分が悪者になるのを恐れているだけにしか見えない…。

 

 

ほないこか様演じる夏生ちゃんがばしっと言ってくれました。

 

「人を好きになったことある?」

 

ほんま、それ。彼から誰かに対して矢印が向いていることってないな…と。

今ヶ瀬は、彼の流されやすくて受け身な性格(で片付けていいのか?)を嫌と言うほどわかっているから、

それでも恭一がときどき自分に見せてくれる柔らかい表情や、

甘ったるい言葉が、愛情なんじゃないかと思うとたまらなく嬉しくなってしまうんです。

 

ちょっと脱線ですが、夏生ちゃんはちょっとプレッシャーかけすぎですよね笑。

けっこう男の人って繊細なので気をつけてね夏生ちゃん。(誰)

 

来年も誕生日を祝える関係って

初めて観たときは今ヶ瀬に感情移入しすぎて、彼が涙を我慢している箇所では

わたしが代わりに泣いてました。

成田淩ってすごいね…あの表情は飲み込まれてしまいます。

ぎりぎり決壊しない涙を貯めた瞳と、震える唇…。

苦しい時間の方が多かったけど、それでもうれし涙を我慢しているところはほんと、

一心同体くらい入り込んでで、それはもう胸が締め付けられました…!!!

初めて恭一からキスをしてくれたとか、

誕生日に何が欲しいかと聞いてくれたとき、

家を引き払えば?と言ってくれた、

0時になったからって、ワインをプレゼントしてくれたとき、

そして「来年も」また買ってやると言ってくれた瞬間、

好きなひとが、自分だけを見ているって実感するだけでいっぱいいっぱいなのに、

来年もあるなんて期待させられて、幸せのキャパオーバー…。

 

映画のラストがスタートライン…よりも手前…!

 

今ヶ瀬も恭一も、お互いを思っているつもりだったけれど、

自分の気持ちだけで手一杯だったみたいです。

思いやりがなかったのね。思いやりって小学生のときいちばん言われてた気がするけど

恋愛関係で思いやり持つの難しすぎません?

相手に何かしてあげたいとか、お互いの不安を埋めたいとか、いろいろあるけど、

結局エゴなんじゃないかって思ってしまう。

シーソーゲームですね。(Mr. Children

相手の立場を想像して理解しようとするってとても難しい…。

二人が別れてから、恭一は部下の環ちゃんを引っかけて、婚約までしてしまう、そして破談にしてしまうという大罪人なんだけど(環ちゃんは慰謝料ふんだくったら良い)

ようやく一人になって今ヶ瀬を待ちたいと言います。

向き合おうって覚悟してくれたんでしょうか。

彼が戻ってきたとして、まったくハッピーエンドとかではなくて、

こっからやぞ恭一!お尻バシン(`_`)ノ!って感じです。(誰)

スタートラインの手前の、靴紐結びましたくらいですね。

 

生々しくてわりと参考になるテキストかも

監督がインタビューで最前線の恋愛と言っていましたが、

たしかにこんなもんだよな~と、(恭一ほどダメな男も珍しいけれど)

わたしも含め若い人達には良いテキストになってるんじゃないでしょうか。

王道少女漫画を理想にして育ってしまうと、

現実があまりにも不安定で、

関係構築の難しさに、辟易としてしまうと思いますが、

(もちろん漫画みたいにすっごく純粋な愛でもって生涯添い遂げる方々もいらっしゃいます、ハイ。)

『窮鼠』で描かれている人物たちそれぞれがとてもリアルで、

人間ってずるいしどうしようもないし、

身体の関係とか結婚とか、ゴールでもなんでもないんだなと。

 

相手とまっすぐ向き合う時間、その一瞬を積み重ねていくんだなと、

苦しんだ末にようやく気付かされるっていう物語でした!

 

精神衛生のためにも恭一はやめといた方がいいよって、今ヶ瀬のこと抱きしめてあげたいけどきっと無理なんだな。今度こそ、大事にしろよ恭一!!!

 

心底惚れるって、その人だけが例外になっちゃうってことなんですね。

あなたにはわからないか。」(今ヶ瀬)

 

わかるよ。」 (恭一)

 

 

お読みくださってありがとうございました~また次回。ぺこり。